悲しき雨音
2005年 09月 17日
島のコテージで荷物番をしていると、隣のコテージのフィリピン人のおじさんが話しかけてきた。島に来ているのにポロシャツに黒のパンツ、革靴はいて腕にはキンキラキンの時計。
余談だがこちらでは知らない人同士でも気軽におしゃべりをする。スーパーのレジやジプニーの中、ほんの数分の出会いでも話に花が咲いたりする。そんなわけで、日本にいた頃とは違い私も見知らぬ人と人見知りせずおしゃべりができるようになった。
「ねぇちゃん、カスケードって知ってる?」
...うぅん、もしや「カスケード接続のこと???」と思った私は
「いやぁ、あんまりパソコン詳しくないからね~」と答えた。
するとおじさんは変な顔をして、突然歌を歌いだした。
ああ、知ってる「悲しき雨音」だよね~。
大学時代バイトでラウンジで弾いた事あるわ、と思い、
「その曲だったら知ってるよ」と答えたら
「それ歌ってたグループがカスケード(ズ)っていうんだよ、ほら、あそこにいる人たちだよ。オレの友人なんだ。今日一緒に遊びに来たんだよ」と得意げに遠く島の砂州を歩いている太った白人男性を指差した。
ふぅん、そうなんだ。歌は知っていても歌っている人まで知らなかったなぁ。
大学時代のことと、彼らの歌と、そして偶然広い世界の中のこんな小さな島で彼らと出会ったことが何の脈絡もないのにひとつに繋がった気がして、なんだかとってもとっても不思議な気がした。
彼らのせいではないと思うけど、その日は一日雨と曇り。
「悲しき雨音」が島に響いていた。
by angelmarine
| 2005-09-17 15:05
| 戯言